UbuntuでZFSを使ってみよう 第39回 ZFSのサブコマンドを再確認しよう(4)
今回も、前回に引き続き、ZFSのサブコマンドについて解説します。
zfs rename
zfs rename [-f] filesystem|volume|snapshot filesystem|volume|snapsho
t
zfs rename -p [-f] filesystem|volume filesystem|volume
zfs rename -u [-f] filesystem filesystem
指定されたデータセットの名前を変更します。 新しいターゲットは、スナップショットを除いて、ZFS 階層内のどこにでも置けます。 スナップショットは、親ファイルシステムまたはボリューム内でのみ名前を変更できます。 スナップショットの名前を変更する場合、スナップショットの親ファイルシステムは、第2引数の一部として指定する必要はありません。 名前を変更したファイルシステムは、新しいマウントポイントを継承できます。この場合、変更されたファイルシステムはアンマウントされ、新しいマウントポイントに再マウントされます。
-f
オプション
プロセス内でアンマウントが必要なファイルシステムを、強制的にアンマウントする。 このオプションは、-u
オプションと機能が重複するため、一緒に用いても効果が重複します。
-p
オプション
存在しない親データセットをすべて作成します。 このようにして作成されたデータセットは、親データセットから継承したマウントポイントプロパティに従って自動的にマウントされます。
-u
オプション
名前の変更中に、ファイルシステムを再マウントしないようにします。 ファイルシステムのマウントポイントプロパティがlegacyまたはnoneに設定されている場合、このオプションが与えられていなくてもファイルシステムはアンマウントされません。
zfs rename -r snapshot snapshot
データセットのすべての子孫に対して、スナップショットの名前を再帰的に変更します。 スナップショットは、再帰的に名前を変更できる唯一のデータセットです。
zfs upgrade
zfs upgrade
現在のファイルシステムのバージョンを表示し、最新版でないファイルシステムの一覧を表示します。
$ zfs upgrade
This system is currently running ZFS filesystem version 5.
All filesystems are formatted with the current version.
zfs upgrade -v
現在サポートしているファイルシステムのバージョン一覧を表示します。
$ zfs upgrade -v
The following filesystem versions are supported:
VER DESCRIPTION
--- --------------------------------------------------------
1 Initial ZFS filesystem version
2 Enhanced directory entries
3 Case insensitive and filesystem user identifier (FUID)
4 userquota, groupquota properties
5 System attributes
For more information on a particular version, including supported releases,
see the ZFS Administration Guide.
zfs upgrade [-r] [-V version] -a|filesystem
ファイルシステムを新しいディスク上のバージョンにアップグレードします。 これを実行すると、古いバージョンの ZFS を実行しているシステムでは、ファイルシステムにアクセスできなくなります。これらのファイルシステムの新しいスナップショットから生成されたzfs sendストリームは、古いバージョンのZFSを実行しているシステムではアクセスができません。
一般に、ファイルシステムのバージョンは、プールのバージョンとは無関係です。場合によっては、ファイルシステムのバージョンとプールのバージョンは相互に関連し、ファイルシステムのバージョンをアップグレードする前にプールのバージョンをアップグレードする必要があります。
-V
version
指定したバージョンにアップグレードします。 指定しない場合は、最新バージョンにアップグレードします。 このオプションはバージョン番号を増やすためにのみ使用でき、バージョンを戻すことはできません。バージョンとして、ZFSでサポートされている最新バージョンまでを使用できます。
-a
オプション
インポートされたすべてのプールのすべてのファイルシステムをアップグレードします。
filesystem
アップグレードする対象のファイルシステムを指定します。
-r
オプション
指定されたファイルシステムとすべての子孫のファイルシステムをアップグレードします。
終わりに
今回は、zfs rename
とzfs upgrade
サブコマンドについて説明しました。次回もZFSサブコマンドについて説明します。次回をお楽しみに。
さて、このコラムを掲載いただいているデジタル・ヒュージ・テクノロジー社は老舗のOSSインテグレーターです。特にLinuxは強く、OSSを活用した業務システムの実績も多いです。興味がある方は以下のページもご覧ください。
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