OSSビジネス千里眼

勘違いしてはいけない、2018年8月IDC発表のサーバOS市場予測

こんにちは。デジタル・ヒュージ・テクノロジー顧問の吉政でございます。

2018年8月21日にIDC Japanが「国内サーバーオペレーティングシステム市場予測を発表」を発表しました。

最初に宣言しておきますが、この調査結果が間違っているとは言いません。しかし、とても勘違いしやすい調査データあることは間違いないと確信しています。

何故勘違いしやすいかと言えば、OSSが市場で大きな導入数を占める調査範囲において売り上げ金額でシェアを集計すると実際の導入数と売り上げシェアに大きな乖離が生まれてしまう可能性があるためです。

今回の調査結果を読まれた方の正しい感想と間違っている可能性が高い感想をわかりやすく書いてみます。

正しい⇒「Windows Serverが一番高い売上金額のシェアで52%なんですね。」

勘違いかも⇒「Windows Serverが一番利用されているサーバOSで導入シェア52%なんですね」

大半のLinuxは商用ディストリビューションではないので、売上シェア=利用シェアではなくなっているのです。

IDCの調査発表内容には、「Linuxの売上額は商用ディストリビューションの売上が該当し、無償で入手し使用できるLinuxは含めていません。」と書かれているので、さすがIDCです。「わかってますね。」という感じです。 ライセンスが無料のLinuxは実際に大規模の調査をするか、Webに公開されているサーバをカウントして集計するしかないので、他の有料ライセンスサーバと同じ調査でやりにくいのが実態です。しかもIDC Japanは相当前から売り上げで集計していたため、今年から売り上げではなく、導入数でシェアをカウントしますとはしにくいのが実情なのではないでしょうか。

ちなみに、売上金額ではなく、利用シェアでは、「2016年 Linux Windows Unix サーバ シェア」で検索をするといろいろでてきました。

・Windows導入率 9%減少、Linux14%上昇し、Linux導入率79%に
・Linuxシェアが96.6%に到達 Windowsは1.7%に
・Linuxシェア74%、Windowsシェア18%に

クラウド上で使用するサーバにおいてはLinuxが圧倒的に多く、大半が無料のLinuxということなのではないかと思います。

OSSがここまで普及する中、有料のライセンスを対象とした調査で「市場調査」ということや「有料ライセンス」を「商用ライセンス」と言って、無料で使用するOSSが商用では使えないような印象を与える使い方をするのは、もう古典的であり滑稽なので、そろそろやめるべきだと思います。古くからOSSのマーケティングに従事している私としてはこのことが認知され続けるまで言い続けますよ。

さて、このコラムを掲載いただいているデジタル・ヒュージ・テクノロジーはOSS業界の老舗のインテグレーターです。インフラまわり、業務系システム、Webが得意分野です。

OSSに強いベンダーをお探しの方は以下のページをご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。

https://kusanagi.dht-jpn.co.jp/solutions/dht-oss-consulting/

関連記事一覧