OSSビジネス千里眼

OSSは全て自由ではないです。Raspberry PiとArduinoの商標で注意したいこと

こんにちは。吉政創成の吉政でございます。

OSSという言葉は今更説明する必要はないかもしれません。OSSはOpen Source Softwareであり、プログラムの設計図と言われるソースが公開されているので、自由に改変ができるという理解でざっくり良いと思います。しかし、OSSのカテゴリの中に様々なライセンスがあり、改変したもの追加したものを必ずソース公開しなければいけないルールのものもありますし、公開しなくてもよいものもあります。それぞれのOSSの著作権者や管理団体がそのOSSにあったライセンスを採用しています。つまり、OSSのカテゴリの中のすべてが、完全自由のOSSではないということなのです。

一方でオープンソースハードウェアというカテゴリもあり、これは設計書が公開されたハードウェアということです。代表するオープンソースハードウェア中にRaspberry PiとArduinoというものがあります。今回たまたま、この二つの商標について触れることがあったので、簡単に紹介してみます。

Raspberry PiとArduinoはマイクロボードのカテゴリで、西の横綱Raspberry Pi、東の横綱Arduinoという人がいるくらい、世界の2台マイクロボードです。よく比較される二つですが、商標についてかなり違うので、ご紹介します。

なお、正確に知り、判断されたい方は原文を参照の上、専門家に相談ください。

(当方は一切責任を負いません)

◆Raspberry Pi 「Trademark rules and brand guidelines」

原文:https://www.raspberrypi.org/trademark-rules/

かなりざっくり、日本でビジネスに活用する際に気になるところをまとめてみました。

・「Raspberry Pi」「ラズパイ」の名前が含まれる、書籍名、研修名、サービス名、製品名は、Raspberry Pi財団の承認を得ていない場合は商標権侵害に当たる可能性がある。

・Raspberry Pi財団は教育について無料で実施することを基本原則にしているので、有料コンテンツ(書籍やトレーニング教材、各種研修)に「Raspberry Pi」「ラズパイ」の文字が記載されることはRaspberry Pi財団の基本原則に反する

・互換機を作るのは禁止

◆Arduino Trademark

原文:https://www.arduino.cc/en/Trademark/HomePage

・「Arduino」の名前が含まれる、書籍名、研修名、サービス名、製品名に、その対象が「Arduino」自体であるように見えない方法で使ってよい。例えば、「Arduino研修」、「デジタルカメラキット for Arduino」がOKということです。

・教育コンテンツやビジネス用途のコンテンツに「Arduino」を作るのも

・互換機を作るのはOK

なお、ここに記載されている情報は2019年8月現在のものであり、且つかなり意訳というか、要点を絞って書いた内容になっています。必ず最新の原文を見て正確に理解するようにしてください。上記の二つの商標ライセンスを見て、どちらが良いとか悪いとかというのはないです。ライセンサーを尊重して、最適に活用していただけたら嬉しいです。

なお、このあたりのOSSライセンスについてお話をお聞きされたい方は、以下のDHTOSS導入コンサルサービスをご利用いただければ幸いです。

DHTOSS導入コンサルサービス

https://kusanagi.dht-jpn.co.jp/solutions/dht-oss-consulting/

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