コラム

KUSANAGI がDockerに正式対応!を解説!(穂苅智哉氏)

1.はじめに

こんにちは!プライム・ストラテジーでマーケッターをしている、穂苅智哉と申します。

前回は、プライム・ストラテジーで開発した新しいモバイルサイト高速化技術 ”WEXAL® Page Speed Technology” について書いてきました。

ユーザーの使うギガ数はますます増える中、5Gなども実導入が始まろうとしています。そんな中で今重要なのはモバイルサイトの表示高速化です。 ”WEXAL® Page Speed Technology” を利用することで、対応が難しい バックエンド×ネットワーク×フロントエンドの3つの最適化が実現し、ユーザーフレンドリーなサイトを提供することが可能になります。

そんな前回のコラムはこちらからご覧ください!

【モバイル高速化技術】KUSANAGI環境で実現できるモバイル表示高速化技術 “WEXAL® Page Speed Technology”(穂苅智哉氏)

さて、今回も必見のテーマです!

KUSANAGIに戻ります。

なんと待望のKUSANAGIのDocker正式版がリリースされました。Docker?何がすごいの?という基本のところから紹介していきます。

「KUSANAGI Runs on Docker」正規版を提供開始(ニュースリリース)

2.Dockerとは

まずDockerについてお話していきます。

Dockerは、Docker社が2013年から提供しているコンテナ型の仮想環境を構築、配布、実行するためのプラットフォームです。

もともとは開発者やIT部門をターゲットにアプリケーションやOSの開発・配備を行うための基盤ソフトウェアとして開発されました。

Docker社のサイトにも「Dockerとは?」というページがありますのでご覧下さい。

Why Docker?

このDockerですがLinuxのコンテナ技術を使っています。よく仮想マシン(ハイパーバイザー型)と比較されるのですが、仕組みは異なります。

仮想マシンといえば、VirtualBoxやAWSのなどのクラウドサーバーが有名ですがこれは、ホストマシン(WindowsやMacOSなど)上でハイパーバイザーという技術を利用しゲストOS(Windows、MacOS、LinuxなどすきなOS)を動かし、その上でミドルウェアなどを稼働させる仕組みです。

一方、コンテナ技術はホストマシンのカーネル(OSの中心となるソフトウェア)を利用し、プロセスやユーザなどを隔離することで、まるで別のマシンが動いているかのように稼働させる仕組みです。

メリットとしては、リソースの消費量が少なく、軽量、高速に起動や停止などが可能なことです。

この仕組み、なかなか理解するのが難しいのですが、今までKUSANAGIは「仮想マシンでの稼働」を提供してきました。今回は今までとは別の「コンテナ技術」を利用してもKUSANAGIを正式版として利用することが可能になりましたので、技術者の方、普段Dockerを使っている方にとっては超高速環境を簡単に利用いただけるようになりました。

(ハイパーバイザー型とコンテナ型の違い  筆者作)

IDC Japanが2019年7月に発表したデータによると、Dockerコンテナを本番環境で利用している企業は9.2%、ステージングや開発環境で利用している企業は16.7%だそうです。

まだ、日本では検証段階にとどまっており、本番での利用についてはもう少し時間がかかりそうです。

日本企業のDockerコンテナー本番導入率は1割未満–IDC調べ

ただし、Dockerはビジネスにおけるシステムの本番環境でも有益です。先程紹介した「Why Docker?」ページの中で、ビジネスに対して貢献していることが6つ紹介されています。

  1. 新しいサービスの市場投入を3倍早く
  2. 開発者の生産性を13倍向上
  3. デプロイの時間を60%向上
  4. ITインフラコストを40%削減
  5. IT運用効率を40%向上
  6. 問題解決までの時間を72%削減

今後本番環境への導入が進んでくるとよりDockerの恩恵を受けて効率化が進んでいくでしょう。これは、働き方などを含めて時代に即しているサービスのため拡大シていくことでしょう。

ちなみに、大手クラウドベンダーでは、Dockerやコンテナに関するページやサービスは充実していますので参考にしてください。

3.KUSANAGI Runs on Docker

そんなDockerの恩恵+KUSANAGIの超高速という環境を実現したのがKUSANAGI Runs on Dockerです。

特徴をあげると、

  • WordPress、Concrete5、Drupal 7/8、LAMP、LEMP環境としても利用可能
  • nginx、Apache、php7、MariaDBが利用可能
  • CentOS7、Ubuntu18.04、Windows10(WSL + Docker Desktop for Windows)、macOS(Docker Deskotp for Mac)推奨
  • 使用するdocker-compose.yml ファイルの自動生成が可能
  • データベースのデータベース名、ユーザ名、パスワード情報などの自動生成が可能
  • データベースの内容および生成したコンテンツのバックアップ・リストアが可能

となっており、Dockerイメージは、Docker社の提供しているDocker向けのコンテナ共有サービス「Docker Hub」からダウンロード可能となっています。

い。

詳細は以下を御覧ください。

KUSANAGI Runs on Docker上にWordPress環境を構築する方法(KUSANAGI公式サイト)

ぜひDockerでKUSANAGI環境を構築し、開発環境、検証環境や本番環境としてお使いください!

4.おわりに

今回は、KUSANAGI Runs on Dockerを紹介してきました。

私がKUSANAGIのユーザーさんとお話をする時に「KUSANAGIはDockerでは正式版として使えないのか」とここ数ヶ月よく質問されているほど期待されていたリリースですので、ぜひ多くの方に使っていただきたいです!

開発環境としてはもちろん、本番環境としても活用いただきDocker + KUSANAGIの良さを出した環境で皆さんのサイト運営やビジネス運営ができていくようにプライム・ストラテジーも今後とも動いていきます。

このコラムを掲載いただいているデジタル・ヒュージ・テクノロジー様はWordPressサイトのKUSANAGI化やサイト保守はもちろん、OracleDBからPostgreSQLのマイグレーションサービスやパフォーマンス保障マネージドサービスの提供も可能です。興味がある方はぜひご相談ください!

※PostgreSQLパフォーマンス保証マネージドサービスについては以下をご覧ください。

PostgreSQLパフォーマンス保証マネージドサービス

※KUSANAGIについては以下をご覧ください。

KUSANAGI紹介ページ

それでは、また次回をお楽しみに!!

関連記事一覧