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クラウド市場シェア最新版が公開されました。単一利用はリスクが高い件

こんにちは。デジタル・ヒュージ・テクノロジー顧問の吉政でございます。
クラウド市場データの最新版が公開されましたね!

今回は、Synergy Research Groupの市場データで2018年Q3データです。本当にできたてのほやほやです。


https://www.srgresearch.com/articles/no-change-top-aws-remains-leading-public-cloud-provider-all-regions

このデータはパブリッククラウドのIaaSとPaaSのシェアを指していますが、上位は予想の通りAWS、Microsoft、Googleという順になっています。APAC(アジアパシフィック)はAlibabaが入っていますが、これはほぼ中国ですよね。調査カテゴリとしてはAPAC中国抜きと中国に分けたほうがいいように思えます。理由はAlibabaがAPAC全体でシェアを伸ばしているように勘違いしやすいからです。調査データの基本はわかりやすく誤解は生まないのが基本だとは思いますが、もともとこのカテゴリでやってきたのでしょうから、途中で変更しにくいような気がしています。

さて、以前もこのコラムでご紹介した通りAzureの猛追がすごいです。市場成長率を超えており、前年比で2倍近い伸びをしているのはMicrosoftだけです。オリンピックを終えたころに、このペースだとAWSとAzureが並ぶ可能性が高いです。
興味がある方は以下のページをご覧ください。
https://kusanagi.dht-jpn.co.jp/2018/05/cloudmarket/
さて、今日の本題はクラウドを分散しましょうという話です。
シェアが低くてもいいクラウドがあるので、そちらも使用しましょうという話ではないです。AWSが強いので、頑張れAzure!というわけでもないです。あくまでリスクヘッジの話です。ワールドワイドではほぼ3強になっているので、3社をうまく使い分けてもよいと思ったのです。例えば、ある会社は1社のクラウドのみを使用していた場合、そのクラウドで大規模障害が起こればそのクラウド上のサーバはすべて停止します。

一方で災害対策としてはいかがでしょうか?
今年もたくさん災害が起こりました。日本では大災害が起こらない年はないくらいのような気がします。そう考えると日本の企業は少なからず災害対策をしておく必要がありますよね。災害時においてWebサイトは企業にとって重要な情報発信サイトになるはずですので、ぜひWebサイトにも災害対策をしていただきたいものです。

※脱線しますが、緊急時の情報発信用ページは「会社名+緊急」で検索すると表示できるようにしておき、そのページは画像を極力使用せずに軽くしておく必要があります。

さて、クラウドの登場によって災害対策はかなり劇的に変化しました。何か変化したかというと、予行練習をやりやすくなったという点です。クラウドや仮想環境が登場する前までは、システムの災害対策予行練習は復旧用のサーバシステムが必要だったり、本番環境のシステムを停止させる必要があったりしましたが、今は仮想環境で手軽に予行練習用の環境を作れます。その際に一つ提案があります。災害対策の一つの基本はシングルポイントを作らないことです。災害時は何時もあるべきものがなく、いつもいるべき人がいない前提で設計するべきですので、その際にシングルポイントがあると、そこが原因で動作しないことがあります。クラウドtoクラウドでレプリケーションする場合は、AWS to AWS
ではなく、AWS to Azureのようにクラウドを分けたほうがいいように思えます。構築と運用が楽なのは統一クラウドですが、継続性を考えると分けたほうがいいと思うのです。

このコラムを掲載いただいているデジタル・ヒュージ・テクノロジーはOSSを活用して安価にバックアップシステムを構築できる会社です。興味がある方は以下をご覧の上、お問い合わせください。

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https://kusanagi.dht-jpn.co.jp/solutions/dht-oss-consulting/

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