OSSビジネス千里眼

Oracleが儲かっている記事が出ているが、数年後はどうなっているか

改めまして。吉政創成の吉政でございます。 9月からデジタル・ヒュージ・テクノロジー社の顧問となり、そのご縁でコラムを連載しております。

今回は「Oracleが儲かっている記事が出ているが、数年後はどうなっているか」というタイトルで書きます。

2017年10月に米Oracleが業績発表をしました。その発表内容にOracleのサービス系の利益率が発表されており、あちこちで「Oracleが儲かっている」というニュースが報じられています。

このコラムコーナーで執筆した「PostgreSQLとMySQLのシェア、そしてOracleの動向」に書かれているとおり、新規導入DBとしては明らかに下降しており、一方Oracleライセンス料金の戦略を考えると、今回の業績発表で良い業績を発表するために、既存ユーザーがある程度、他のDBに乗り換えてもかまわないので、Oracleをやめることができない既存ユーザーからお金を取ったように見えてしまいます。結果的にニュース記事にある通り、一見、Oracleの好業績に見えるような発表ができました。

今後はどうかー。

サーバOSシェアはWindows ServerがLinuxに抜かれ、Linuxが70%以上を取りました。CMSはMovableTypeがWordPressに抜かれ、MovableTypeはシェアが1%未満になり、WordPressが60%以上を取りました。稼働プラットフォームがオンプレミスからクラウドに変遷したことで手軽に導入できるOSSに軍配が上がっています。DBも新規導入シェアでは既にOracleがOSS-DBの後塵を拝し、稼働DBシェアでも時間の問題となっている今、Oracleの好業績はいつまで続くかは疑問です。

Oracleは将来なくなるDBではありません。特定用途では残っていきます。

Web系のDBはMySQLがシェアをとり、現在は業務系DBの稼働シェアはOracleがとっています。しかしこれは、業務アプリがOracleに対応しているから実現できているのです。業務アプリがオンプレミスからクラウドに移行する際に、業務アプリベンダーがそのままOracleを使い続けるかどうかは微妙です。SaaS市場はSaaS市場で今後価格競争に入るので、コスト圧縮のためにOSS DBを活用する筈なのです。

さて、今回Oracleは好業績をアピールするために利益率を前面に出しました。来年も業績発表では利益率を発表するでしょう。理由はユーザー数としては下降しますし、クラウドは単価が安いので売上額は当然下がります。というでしょう。この高利益率を維持するために、自社SaaSへの囲い込みに躍起になるはずです。そして囲い込まれたユーザーは完全にベンダーロックインされるという状況になります。

さて、Oracleを利用されている日本の企業の皆様のDBサーバは大半がオンプレミスのはずです。サーバのリースアップのタイミング、保守更新のタイミングで、このままOracleを使い続けるべきか是非考えてみてください。PosgreSQLで十分なシステムもたくさんあるはずです。

その際にこのコラムを連載しているデジタル・ヒュージ・テクノロジーのDHT DBマイグレーションサービスを検討いただけると幸いです。

OracleからPosgreSQLへの移行が増えている市場動向に備えた良いサービスに仕上がっています。お得なサービスなので、興味がある方は是非以下をご覧ください。

DHT DBマイグレーションサービス
https://kusanagi.dht-jpn.co.jp/solutions/dht-db-migration/

 

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