OSSビジネス千里眼

PostgreSQLとMySQLのシェア、そしてOracleの動向

はじめまして。吉政創成の吉政でございます。 8月からデジタル・ヒュージ・テクノロジー社のマーケティング支援をさせていただくことになり、そのご縁でコラムを連載いたします。

今回は「PostgreSQLとMySQLのシェア、そしてOracleの動向」というタイトルで書きます。

ご存知ない方も多いと思いますが、20年以上前に無料のOSLinuxがWindowsを乗り越える!」という日経新聞の記事が掲載され、その後10年以上、LinuxはWindowsに負け続けました。そして、今のOSのシェアはどうなっているかというと、Linuxが大差をつけてWindowsのシェアを追い抜いています。その背景にあるのはクラウドです。

クラウドが普及することにより、サーバを立てるという行為が簡単になり、サーバ台数が飛躍的に増えました。その過程で、ライセンスが都度発生するWindows ServerがLinux Serverの後塵を拝することになりました。面白いことにこの市場データはパワーバランスが働いたのか、ほぼ市場で騒がれていません。ただ一言言えるのは、2倍以上差をつけてLinux ServerのシェアがWindows Serverのシェアを超えているということです。 クラウドが都度購入しなければいけない有料ライセンスのソフトウェアの市場成長を止め、その流れついていけない、有料ライセンスの雄であるWindows ServerがまずLinux Serverの後塵を拝しました。

そして、次はいよいよOracleです。少し前に「PostgreSQLが好調–Oracle DBの牙城に迫る」という記事が目に飛び込んできました。

「PostgreSQLが好調–Oracle DBの牙城に迫る」
https://japan.zdnet.com/article/35066741/

また、ガートナーの調査によれば、2018年の新規導入DBの70%はOSSのDBになるという発表がありました。

そして、Oracleは生き残りをかけて、ライセンス料金を引き上げるという戦略ミスをしています。ライセンスを上げるだけでなく、Oracleのクラウド以外を使っているユーザはさらにライセンス料を上乗せするというライセンスであり、お客様の心はますます離れていきます。もはや、Oracleが生き残る道はOracleのOSSライセンス化か、Oracleのライセンス無料化しかないような状況になってきています。

そして、PostgreSQLベースのEnterpriseDBの調査によると、業務システムのDBの世界シェアの55%がPostgreSQLになったと発表しています。(2015年時点。2014年時点では40%)

DBの世界では、WebはMySQLで、業務システムはPostgreSQLで当面は決まりそうな状況です。

もともとPostgreSQLは高性能高品質で、Oracleよりバグの数では少なかったりしていました。そして今、クラウドの波によりOracleが沈もうとしています。

今日ご紹介した記事は米国の話ですが、日本でも必ずそうなります。既に日本のOracleユーザから悲鳴が聞こえてきており、その様が日本でもニュースになっています。

さて、DBの話といえば、品質と高速化、拡張性などが重要だと思うのですが、デジタル・ヒュージ・テクノロジー社は世界最高速のOSS実行環境「KUSANAGI」を使ってPostgreSQLの高速化の実験を始めています。近い将来、PostgeSQLとKUSANAGIで超高速業務システムプラットフォームが誕生すると思います。

乞うご期待!

KUSANAGIについて興味がある方は以下をご覧ください。
https://kusanagi.dht-jpn.co.jp/solutions/kusanagi/

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