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UbuntuでZFSを使ってみよう第24回  ZFSのプロパティを見てみよう(6)

前回は、ZFSに設定できる読み取り専用プロパティについて説明しました。今回から、ZFSの設定可能なプロパティについて説明します。

設定可能なZFS ネイティブプロパティ(1)

設定可能なZFSネイティブプロパティは、ZFSデータセットの動作を変更できるプロパティです。

aclinherit=discard|noallow|restricted|passthrough|passthrough-x

ファイルやディレクトリの作成時に、どのようにアクセス制御エントリ(Access Control Entry=ACE)を継承するかを制御します。

ファイルシステムのアクセス制御を行う際は、アクセス制御リスト(Access Control List=ACL)を使用します。アクセス制御リストはデータ構造を持ち、特定のシステムオブジェクト(プログラム、プロセス、ファイル)へのユーザ・グループの権利を示すACEで構成されます。ACEは、アクセス制御エントリはZFSプロパティのほとんどと同じように、上位オブジェクトから継承されます。
ACEの継承方法は、以下のように指定できます。

  • discard
    いかなる ACE も継承しません。
  • noallow
    “deny” パーミッションを指定する継承可能な ACE のみを継承します。
  • restricted
    デフォルトでは、ACE を継承する際に write_acl および write_owner パーミッションを削除します。
  • passthrough
    すべての継承可能な ACE を何の変更もなく継承します。
  • passthrough-x
    passthrough と同じ意味ですが、owner@、group@、およびeveryone@ の各ACE は、ファイル作成モードが実行ビットも要求している場合にのみ実行許可を継承します。実行ビットを要求している場合のみ実行権限を継承することを除いて,passthrough と同じ意味です。

このプロパティ値が passthrough に設定されている場合、ファイルは継承可能な ACE によって決定されるモードで作成されます。 モードに影響を与える継承可能なACEが存在しない場合には モードは、アプリケーションから要求されたモードに応じて設定されます。

プロパティ aclinherit は、POSIX ACL には適用されません。

atime=on|off

ファイルを読み込んだときに、ファイルのアクセス時間を更新するかどうかを制御します。 このプロパティをoffにすると、ファイルの読み取り時に書き込みトラフィックが発生しなくなるため、パフォーマンスが大幅に向上します。しかし、メーラーなどのアクセスタイムを使用するソフトウェアが、正常動作しない可能性があります。on および off の値は、atime および noatime のマウントオプションと同じです。デフォルト値はonです。

relatime=on|off

atime=on が設定されているときの、アクセス時間の更新方法を制御します。このプロパティをonにすると、アクセス時間はファイルが修正・変更した時間を基準に更新されます。アクセス時間が更新されるのは、前回のアクセスタイムが今回の修正・変更タイムよりも早かった場合や、過去24時間以内に既存のアクセス時間が更新されていない場合のみ更新されます。デフォルト値はoffです。 on/offの値を設定するのは、ファイルシステムのrelatime/norelatimeマウントオプションと設定するのと同等です。

canmount=on|off|noauto

このプロパティが off の場合、ファイルシステムはマウントできず、zfs mount -aコマンド では無視されます。 このプロパティを off に設定することは、mountpoint プロパティを none を設定することに似ています。しかし、データセットには通常の mountpoint プロパティが残っており、これを継承できます。 このプロパティをoffに設定すると、データセットをプロパティを継承するメカニズムとしてのみ使用できます。 canmount=offを設定する例としては、同じマウントポイントを持つ2つのデータセットがあり、mountpointが同じパスの場合です。両方のデータセットの子は同じディレクトリに表示されますが、継承されるプロパティは異なる場合があります。
noautoに設定すると、データセットのマウントとアンマウントは明示的にしかできません。 データセットの作成時やインポート時に自動的にマウントされたり、zfs mount -aコマンドでマウントされたり、zfs unmount -aコマンドでアンマウントされたりすることはありません。
このプロパティは継承されません。

mountpoint=path|none|legacy

このファイルシステムに使用されるマウントポイントを制御します。
ファイルシステムのマウントポイントのプロパティが変更されると、そのファイルシステムとマウントポイントを継承するすべての子がアンマウントされます。 新しい値がlegacyでの場合、再度マウントされません。
プロパティがlegacyまたはnoneから変更した場合、またはプロパティが変更される前にマウントされていた場合は、自動的に新しい場所に再マウントされます。
共有ファイルシステムは共有解除され、新しい場所で共有されるようになります。

終わりに

今回はZFSのFSの設定可能なプロパティについて説明しました。次回も、ZFSの設定可能なプロパティについて説明します。次回をお楽しみに。

さて、このコラムを掲載いただいているデジタル・ヒュージ・テクノロジー社は老舗のOSSインテグレーターです。特にLinuxは強く、OSSを活用した業務システムの実績も多いです。興味がある方は以下のページもご覧ください。
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