OSSビジネス千里眼

「有料ライセンスCMSを使う理由がなくなり。デメリットが目立つようになってきた」

こんにちは。デジタル・ヒュージ・テクノロジー顧問の吉政でございます。

全CMSのシェアの中で60%がWordPressとなり、全有料ライセンスのCMSのシェアを合わせても1%を切っている時代になりました。

※W3Techs 調査https://w3techs.com/

ちなみにあえて商用ライセンスと書かずに有料ライセンスと書いている理由を述べます。

CMSの分野では前述のとおりOSS(オープンソースソフトウェアの勢いが強く、数年前まで有料ライセンスのCMSがトップシェアでした。その後、WordPressをはじめとするOSS CMSの機能強化とコミュニティの活動強化により、シェアが完全に逆転し、シェアのグラフからは有料ライセンスの痕跡はなくなりました。この時に誰が言い始めたのかはわかりませんが、有料ライセンスのCMSを商用ライセンスCMSというようになりはじめ、あたかも有料ライセンスCMSが商業用CMSに見える勘違いが起こってしまいました。マーケッターの一員としてこういう勘違いを生むような悪意のあるマーケティング手法は大嫌いなので、この場を借りてはっきり言いたいと思っています。商用ライセンスは商業用のライセンスと勘違いするので使用を中止したほうがいいです。はっきりと有料ライセンスという言い方があるので、その表現を使うべきです。商用ライセンスという言葉を使っている有料ライセンスCMSの皆様、恥ずかしいですよ。

余談が過ぎました。OSS CMSのシェアが伸び、有料ライセンスのCMSがかなり見なくなりましたが、まだ大規模サイトで使用されているところがあります。私が連載をしているメディアの管理画面を見てもMovableTypeを使っています。(懐かしすぎです)私はそのシステムの責任者ではないので、実際のところ使い続ける理由はわかりませんが、コラムやニュース記事など更新系が多いCMSはURLを自動発行していることが多く、CMSをリプレイスすることで、URLが変わってしまいます。これにより一時的にPV数が下降することがあります。それが嫌なのか、苦労してカスタマイズして作り上げたシステムがもったいないのかわからないのですが、たまに有料ライセンスCMSを使い続けているサイトを拝見することがあります。私は以下の点で、OSS-CMSの中でもシェアが高いもの(今であればダントツにWordPress)に移行するべきと思っています。

・ユーザ数が減少した有料ライセンスCMSは開発力が低下し、本体プログラムはもとよりプラグインのようなサブプログラムの更新も低下してしまうため、脆弱性の対応、Googleなどの新しいルール、最新技術への対応も遅れたり、対応がされない可能性が高くなってきたこと。

・ユーザ数が減少した有料ライセンスCMSは開発力が低下するため、本体プログラムのバージョンアップにサブプログラムのバージョンアップが追いつかず、バージョンアップのコストが大きくなる。

・有料ライセンスCMSは保守ライセンスが発生します。ユーザ数が減少した有料ライセンスCMSですので、今後値上げがされる可能性が高いと個人的に考えています。OSS CMSの場合はライセンス自体が有料であるので、保守ライセンスも無料です。(保守作業に対する保守サービスは存在しています)

おそらく大半の有料ライセンスのCMSユーザーはやむ得ずに昔構築したCMSを使い続けていると思うのですが、ソフトウェアは必ず老朽化します。ちなみに私の顧問先の別の大手企業では、MovableTypeを使用しているのですが、バージョンアップ費用が高くて旧バージョンを使い続けているのですが、やはりぱふぉーんマンス劣化が著しいため、WordPressへのリプレイスを決められました。MovableTypeメジャーバージョンアップにかかるコストを考えたWordPressにリプレイスしたほうが安価であるため、今期、WordPressに移行さるそうです。

このように、有料ライセンスCMSを使い続けると、セキュリティの面、速度の面、金額の面でデメリットが出てきます。

その昔、OSS CMSはWordPressを含めて、高負荷時にパフォーマンスが出ない時代がありました。今はCMS用にチューニングされた実行環境「KUSANAGI」があります。日本人なら誰もが知っている大手メディアの大半でWordPress+KUSANAGIが導入される時代になりました。WordPressが遅い時代はもう大昔の話になっています。そして、数万本あるプラグインとテーマを活用することによって、WordPressは有料ライセンスCMSをはるかに凌駕する高機能さも持っています。

セキュリティの面、パフォーマンス面、価格の面でデメリットばかりが目立つようになってきた有料ライセンスCMSを使い続ける意味はリプレイスの手間が嫌なだけではないでしょうか?ただ、私は思うのです。ライセンス保守料金、パフォーマンス劣化、セキュリティの面、機能の面で、有料ライセンスのデメリットが目立つようになってきました。長年お世話になった有料ライセンスCMSで愛着がある人もいるかもしれませんが、そろそろいいんじゃないでしょうか。永久に使い続ける人もいないと思います。今であれば、まだ救済と血としてマイグレーションのツールもあります。このまま衰退が進んでいくとマイグレーションツール自体もなくなっていくと思います。そうなる前に、リプレイスされてはいかがでしょうか?

なお、このコラムを掲載いただいているデジタル・ヒュージ・テクノロジーはKUSANAGIの事例を多く公開しており、KUSANAGIが得意な会社です。有料ライセンスCMSからのリプレイスをお考えの方は、是非お問い合わせいただけると幸いです。

KUSANAGIについて
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