CentOS7のPHPとWordPress(穂苅智也氏)
1.はじめに
こんにちは! プライム・ストラテジーでマーケッターをしている、穂苅智哉と申します。
前回は、WordPressがPHP5.2から5.5までのサポートを終了させる発表を行ったことによる紹介と解説、対処法について書いてきました。
この話題はニュースにはなりましたが、現在でもPHP5.x系を使っている割合はまだまだ多く、世界のサイトが完全に安全なPHPのバージョンにできるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
そんな前回のコラムはこちらからご覧ください!
▶第17回【WordPress セキュリティ】WordPressがPHP5.2から5.5までのサポートを終了させるを読み解く
さて、今回は引き続きPHPの話ですが、切り口を変えてみます。OSと絡めて考えていきたいと思っています。
日本で一般的に利用されているWordPressのOSは、CentOSです。現在はCentOS7が最新版として、多くのWordPressで利用されていますが、そのCentOS7とPHPの関連性はご存知でしょうか。
2.KUSANAGIのOS
まずは、プライム・ストラテジーで開発している超高速WordPress仮想環境 KUSANAGI を見てみます。
KUSANAGIは、現在以下のような構成が提供されています。
・WordPress 最新版(KUSANAGI 専用プラグイン同梱)
・CentOS 7.6
・Nginx 1.17.0
・Apache 2.4
・HHVM 3.19.2
・PHP7.3.5 (php-fpm, Cli)
・PHP5.6.x (php-fpm, Cli)
・MariaDB-server 10.1.40
(一部省略)
CentOSは7.6、PHPは現在最新の7.3系が利用可能です。
3.CentOSとPHPとWordPress
▶The CentOS Project
CentOSは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)という商用向けのLinuxOSの派生版で、無料で利用できるOSのことです。RHELはサポートがしっかりしており、その分有償での提供がされていますが、CentOSはRHELのクローンOSとして無償で提供されています。
シェアはというと、安定して20%弱を維持しています。日本では主流なCentOSですが、海外ではUbuntuという別のLinux派生のOSが主流です。
▶Historical trends in the usage of Linux subcategories for websites
意外と知らないかもしれませんが、日本で有名なCentOSの最新版CentOS7を単純にyumでインストールしても、PHPは5.4系になります。さらにWordPress5.2のアップデートに関連して実施された、WordPressの必須PHPバージョンが、PHP5.6.20以降となりました。これは、大きな動きとして捉えられましたが、このような情報を常に追いかけていくのはかなり大変なことではないでしょうか。
▶PHP 最低必須バージョンの変更
PHPのバージョンの話は、以前のコラムでも書いておりますのでご参照ください。
▶【WordPress・PHP】あなたのPHPのバージョンは大丈夫?
なぜこうなっているのかというと、CentOSのWikiに以下のような記述がありました。
you will generally NOT find the very latest versions of various packages included in an Enterprise-class operating system such as CentOS. It’s a feature not a deficiency.
一般的にCentOSのようなエンタープライズクラスのOSに含まれている様々なパッケージの最新バージョンを見つけることはできないだろう。それは、欠陥ではなく機能である。
とのことなので、この状況は上記のような理由から、CentOS側の意図的なことでありそうです。
参考
▶20. Where can I get the latest version of XyZ.rpm for CentOS? I cannot find it anywhere.
更にWordPressをからめると、
WordPress5.2の話が出てからWordPressがPHP5.2から5.5までのサポートを終了させる
という話です。
CentOSを利用するならば、運用する方が自社・自分の大事なサイトを動かしている構成要素であるこういった部分も知識としてあった上で利用する方が良いのではないかと思います。
4.おわりに
今回は、CentOSとPHP、WordPressの関連性について書いてきました。
バージョンについては、最新版にすることが大事ですので余裕のある場合はアップデートがかかったらすぐ上げること、
それが難しい場合は定期的にアップデートを行うように体制やフローを整えることが重要だと思います。
アップデートは、サイトの保守の一環になってきます。企業によっても状況が異なると思いますし、IT系の企業でもなければサイト保守のエンジニア体制が取れない状態もよくあります。
KUSANAGIというWordPress(他のCMSも可能)の実行環境上で、
しっかりとした保守プランをご検討いただくのは、担当者にとっても、そのWebサイトにとっても大きな課題解消の一つになっていくのではないかと思います。
このコラムを掲載いただいているデジタル・ヒュージ・テクノロジー様はWordPressサイトのKUSANAGI化やサイト保守はもちろん、OracleDBからPostgreSQLのマイグレーションサービスやパフォーマンス保障マネージドサービスの提供も可能です。興味がある方はぜひご相談ください!
※PostgreSQLパフォーマンス保証マネージドサービスについては以下をご覧ください。
▶PostgreSQLパフォーマンス保証マネージドサービス
※KUSANAGIについては以下をご覧ください。
▶KUSANAGI紹介ページ
それでは、また次回をお楽しみに!!